IAVCEI2017参加報告

今回のIAVCEI(国際火山学及び地球内部化学協会)の2017年国際会議 Scientific Assemblyは,米国ポートランドで開催された.参加者数は,1,349人と過去最大であり,そのうち440人が学生であった.2017年8月12−13日にState of the Hazard Map 3のワークショップ, 8月14-18日にIAVCEI2017の国際会議,8月19日にTephraデータベースのワークショップに参加した.

1.State of the Hazard Map 3 (8月12-13日, ポーランド州立大学)

コンビナーは,Jan Lindsay(ニュージーランド オークランド大), John Ewert(USGS), Eliza Calder (スコットランド エジンバラ大),Mary Anne Thompson (オークランド大)の4名であった(Fig. 1).IAVCEIのVolcanic Hazard and Risk(火山ハザードとリスク)委員会が主催.第1回のワークショップは,インドネシアで開催されたCities on Volcanoes 8における「State of the Hazard Map1」であり,第2回目は,チリで開催されたCities on Volcanoes 9における「State of the Hazard Map2」である.私は,第1回目のワークショップには参加したが,第2回目は欠席,今回は2回目の参加であった.今回のワークショップでは,(1) 各国におけるハザードマップに利用されている各種の手法や考え方をレビューし,(2) ハザードマップがどのように作成され,解釈され,利用されているかを検討し,(3) これまでのワークショップで得られた結果から作成されたガイドラインのたたき台について議論し,修正を行う,(4) ガイドラインのとりまとめ,出版方法,宣伝方法について検討を行うことが目的であった.全体で約25名の参加があり,日本からは,田島,宝田の2名が参加した.

Fig. 1. 左からThompson氏,Lindsay氏,Graham Leonard氏(GNS), Carolyn Driedger氏(USGS).

Fig. 2. 主催者の一人Eliza Calder氏によるこれまでのハザードマップ関連WSの内容紹介.

まずは,主催者のLan Lindsay氏から,今回のワークショップの目的など全体の概要の説明があった.その後,Eliza Calder氏から,これまでのワークショップの内容の紹介が行われた(Fig. 2).これまでのState of the Hazard Map1, 2に加え,昨年インドネシアでUSGSとCVGEHM, SATREPSが合同で開催した”Workshop on Volcanic Hazard Assessments (2016年8月28日〜9月7日)や,米国ワシントン州バンクーバーで開催されたVOBP3(2016年11月)の成果についても報告があった.120のハザードマップの解析によると,ハザードマップは,主に”Geology based maps”, “Integrated qualitative maps”, ”administrative maps”,Modeling based maps”の4種類に分類することができ,Geology baseのものが80%を占める.他には,地域独自(Community base)のハザードマップや,短期のクライシスマップなどがある.表現されている火山災害の種類は,ラハール,火砕流,降下テフラ,噴石,溶岩流,岩屑なだれ,その他の順になっている.ハザードマップは,噴火の進行や研究の進捗に伴い進化する.特にGIS, DEM, リモートセンシング,数値シミュレーションによる影響が大きい.数値シミュレーションによるモデリングでは,将来のイベントがどの範囲までどのような形で影響を及ぼすか評価が可能である.成果の一部は,Brown et al. (2014) “Global Volcanic Hazards and Risk”の火山ハザードマップの章にまとめられている.現在,90ページ以上の火山ハザードマップのガイドラインの素案が取りまとめられている.また,USGSでは,デジタルアトラスとして,全世界のハザードマップの収集を行っている.

続いて,USGSのJohn Ewert氏は,火山ハザードマップの歴史について講演を行った.最初の火山ハザードマップは,1919年のインドネシアケルート火山について,インドネシア火山調査所が作成した.その後,1962年にカムチャツカと千島の火山のハザードマップが出版されている(Markhinin et al., 1962). USGSの火山ハザードマップは,1967年のレニア火山のハザードマップ(Crandell and Mullineaux, 1967)が最初であり,その後は,ラッセンピーク火山,シャスタ火山等多くのカスケードの火山で作成された.1980年のセントヘレンズ火山噴火では実際に避難に利用された.ただし,ブラストの影響が想定よりも広く,犠牲者が出た.1985年のネバドデルルイス火山のハザードマップは作成されたが,避難には有効に活用されず多くの犠牲者を出した.1991年のフィリピン ピナツボ火山の噴火でも火山ハザードマップが作成され,住民の避難に有効に活用された.その後は,エナジーコーンモデル,LaharZ, Tephra2, Hazmap, VolcalPuff, Ash3Dなど数値シミュレーションによるハザードマップが作成されるようになった.

Mary Ann Thompson氏は,世界のハザードマップのデータについて,詳細なアンケート調査を実施した.その特徴をとりまとめて紹介した.例えば,ニュージーランドのハザードマップの境界線は,ぼやかされており,境界線の位置に不確定性があることを表している.個別の噴火現象毎にゾーンを示しているケースは約31%で,複数の事象を取りまとめてゾーンを示しているケースは46%であった.また,Geologyベースの結果を重ね合わせて示すタイプは14-38%であり,小規模,中規模,大規模噴火など噴火シナリオを示すタイプは31-64%であり,確率論的な分布を示すタイプは17-31%であった. この調査は,現在39のハザードマップについて取りまとめられているが,より多くの実例を必要としており,日本の火山ハザードマップについても貢献を求められた.実際に初日の午後には各国から持ち寄ったハザードマップを使い,グループに分かれて詳細な検討を行った.日本の事例としては富士山北麓のハザードマップの解析を行った.他には,Alistair Langmuir氏による中央アメリカの国々とイギリスが中心となって行っているHazMapプロジェクト内容の紹介があった.2016年12月にエジンバラで,2017年3月にグァテマラでワークショップを開催している.

その後,各国から持ち寄ったハザードマップを順に紹介し,どのようなコンセプトでそれらのハザードマップが作成されたのかを紹介した(Figs. 3, 4).日本からは,富士山,霧島,桜島,御嶽等のハザードマップを持込み,その作成手法や考え方を紹介した.特に日本の場合は,そのゾーンニングが気象庁の警戒レベルと連動しており,ハザードマップにしたがった避難が行われているケースが多いこと,さらに作成主体が地質調査機関ではなく,市町村が協議会ベースで,大学の研究者らが加わって,コンサルが作成するケースが多いことを紹介した.また,内閣府から火山ハザードマップ作成指針が出ていることを伝えた.富士山北麓のハザードマップは英語版が出ており,内容を理解してもらうには最適であった.

Fig. 3. ラハールハザードマップの説明を行うDavid Ramsey氏(USGS)

Fig. 4. Mount Foodの3Dハザードマップの説明を行うCharles Preppernau氏.手前は霧島火山の火山防災マップ.

また,各国の現状についてのPPTによるプレゼンが行われた.Jan Lindsay氏は,St. Vincent火山の事例を紹介した.Paul Taylor氏は,南西太平洋地域のトンガ火山等について紹介した.Jessia Ball氏は,カリフォルニア州の火山のハザードマップについて紹介した.Matthieu Kervyn氏は,アフリカについて,Graham Leonard氏は,バヌアツの火山のハザードマップを紹介した.Luis Lara氏は,チリの火山のハザードマップの紹介を行った.Mannuela Elissondo氏は,アルゼンチンの火山のハザードマップの内容を紹介した.宝田は,日本の火山のハザードマップの現状について,現在43の火山でハザードマップが発行されており,それらの内,富士山の事例についてその内容や作成方法,ゾーニングの考え方,過去の噴火時例,シミュレーションに基づいた作成手法などを紹介した.また,桜島,霧島,十勝,有珠,浅間,伊豆大島,御嶽山,阿蘇のハザードマップ示し,気象庁の警戒レベルについても解説した.特に御嶽山では,水蒸気噴火では,それに対するハザードマップは出来ていたが前兆現象が小さく,警戒レベル2への変更が行われず,結果として63名の犠牲者がでたことを伝えた.水蒸気噴火のように高頻度であるがほとんど前兆現象のないケースをどうするか今後検討が必要であること,また低頻度であるが一旦発生すると大災害となる岩屑なだれのようなケースにも対応が必要であることを議論した.

ワークショップの後半では,いくつかのトピック毎にグループに分かれて,1〜2時間程度ずつ議論を行い,グループ毎にその検討内容を発表する形式のブレーンストーミング会議を行った.私が参加したグループでは,”Integration of information into hazard map”で,いかに様々な情報を統合化してハザードマップに盛り込むか,その方法について議論した.統合することにより,受け手側にうまく情報が伝わるか,うまく行った事例はあるか,うまく行かなかった事例はあるか,市町村や,警察,消防など関係者がうまく利用出来るようできるかなどが議論された.ハザードマップの境界線の不確実性をどう伝えるか.確率論的なハザードマップ,長期予測型,短期予測型の内容,シミュレーションとして用いたシミュレーション結果をどう示すかを議論した.また,”The inclusion of additional (non-geologic) information on maps”では,ハザードマップにつけ加えるべき内容について議論した.日本のハザードマップの事例なども参照し,避難時の持ち物,緊急連絡先の情報,より詳細な情報へのQRコード,主要ランドマーク(病院,避難所など),人口分布,道路などは重要との意見がでた.また,オンラインでは,リアルタイムに,変化するハザード情報を伝えることができる(例えば,ラハール等による橋の流出に伴う避難経路の変更など).スマホなどを使えば,現在いる位置情報に基づいた避難経路への誘導などが可能.Virtual Realityを使った3Dナビゲーションも可能との意見も出た.ただし,噴火時には現時点では回線が混み合うこともあり,紙ベースの情報提供は必要との意見が出た.各グループの検討結果は,グループ毎に文書にまとめられ,今後のガイドライン作成に反映される予定である.

最後に,将来のハザードマップ,海洋島のハザードマップ,カルデラ形成を伴うケースのハザードマップについて議論した.将来のハザードマップとしては,例えば,インタラクティブマップ,レイヤーの利用,GISデータの提供,3Dマップ,リアルタイムに降灰情報を反映したハザードマップ,オンラインでのビデオ映像や,シミュレーション結果表示など多くのアイデアが出た.海洋島のハザードマップでは,火口が形成される可能性のあるゾーンを示すことや,水蒸気噴火の起こりそうな海岸沿いのゾーンを示すこと,降灰予測をどうするか(大規模なケースでは本土の陸域にも影響がでる),海底火山の崩壊による津波の対応をどうするか,海底火山のカルデラ形成をどうするかなど多くの意見が出た.カルデラ形成と伴うケースの場合は,可能性のある分布域の把握,複合災害(火砕流と火砕サージ,降灰によるラハール,ダムの決壊による下流域への影響など)の検討等が必要との意見がでた.

今のところ,来年度ナポリで開催されるCities on Volcanoes 10までに火山ハザードマップのガイドライン案をとりまとめ,来年中に第1版をIAVCEIとして公開予定である.WSでは,東アジア地域地震火山災害情報図を持参し,8部を配布した.

8月17日に,Commission on Hazards and Riskの会合が約1時間開かれた.そこで,今後の委員会活動の内容や体制について議論が行われた.今後は,Vhub上にこれまでの議論の内容を掲載すること,次回のCOV10迄にガイドラインを取りまとめること,2018年のCOV10,2019年のIUGG(モントリオール,IAVCEI100周年)で,Hazards and Riskセッションを立ち上げること.WOVOやTephra等の関連するCommissionとの連携を図ること,COV10でState of Hazard Map 4を開催することなどが決められた.今後のCommission on Hazards and Risk体制としては,現在のJan Lindsay, Eliza Calder, Adele Bear-Crozier氏から,Heather Wright氏 (USGS), Sylvain Charbonnier氏(南フロリダ大),Elisabeth (Lis) Gallant氏(南フロリダ大),Sébastien Biass氏(ハワイ大学),宝田の5名に交代となった.

地質調査総合センターで取り組んでいる火山地質図の作成,火山データベースの作成は,火山ハザードマップの作成において,大変重要な役割を果たしている.過去の火山噴出物の分布,層厚,到達限界,噴出年代は,ハザードマップのための欠かせない基本情報である.特に,小規模〜大規模な火砕流,火山泥流,溶岩流,降灰の分布限界は丹念に調べて示す必要がある.主要噴火の降灰のisopachマップは可能なケースについては明らかにしておく必要がある.また,将来の噴火口の位置の予測のためには,赤色立体図などを利用して丹念に過去の噴出口の位置を示す必要がある.また,噴火予測のためには過去の噴火の推移が重要となる.いつ噴火が始まりどのような経緯で比較的規模の大きい噴火に至り,その後どのような経緯をたどって収束に向かったかを取りまとめておく必要がある.その意味で第四紀火山データベース,活火山データベース,大規模噴火データベースは常に最新の情報に保っておく必要がある.確率論的な災害予測やシミュレーションによる検討も,より精度の高い噴出物の分布図,層厚,年代データ,推移データに基づいている.噴火の頻度を検討する上では,火山地質図では1色のまとめられているような,より古い時代の個々の噴出物の分布やその噴火年代の検討も必要であると言える.

 

2.IAVCEI2017 (8月14-18日,オレゴンコンベンションセンター)  

IAVCEI2017 Scientific Assemblyは,8月14-18日の5日間オレゴンコンベンションセンターで開催された.セッション数は48(当初は100以上あったセッションを合併した後の数),平行セッションは9つあり,事前によく聴くべき講演をチェックしておく必要があった.ポスターも大変数が多く,合間の時間に一通り見ておいて,コアタイムに集中的に回る必要があった.

8月14日は,オープニングセレモニーでUSGSのJon Major氏,Wendy Bohrson氏らが司会を行った(Fig. 5).また,IAVCEI会長のDon Dingwell氏の挨拶があった(Fig. 6).プレナリートークでは,Anita Grunder氏とRay Wells氏により,北米大陸の北東部における火山活動とテクトニクスについての講演が行われた.

Fig. 5. プレナリートークを行うRay Wells氏.右側は,今回のIAVCEI2017の取りまとめ役の一人Jon Major氏.

Fig. 6. IAVCEI会長 Don Dingwell氏のプレゼン,右側は副会長のRoberto Sulpizio氏.

口頭発表では,Ray Cas氏による水中火山噴火,後藤氏による屈斜路カルデラ,小林氏による噴火前兆現象,Gerardo Carrasco氏による年代測定,Graham Leonard氏によるタウポ火山の火山活動,Shane Cronin氏によるTaranaki火山の高精度噴火地質,Sylvain Charbonnier氏によるTitan2DやVolcFlowを用いた確率論的なハザード予測,小園氏による霧島火山噴火の噴火ダイナミクス,Maurizio Battaglia氏によるセントヘレンズ火山の重力測定,Jean-Christphe Komorowski氏によるLa Souriere de Guadeloupe火山の山体崩壊によるブラスト堆積物,Silvia Massaro氏によるプリニー式噴火のマグマ供給システム,Tomso Esposti Ongaro氏によるブルカノ火山における水蒸気噴火のシミュレーション,James Gardner氏による1980年セントヘレンズ火山ブラストの解析,Tim Druitt氏によるサントリーニ火山のカルデラ形成と津波発生モデルの講演を聴いた.

昼休みには,USGSのJohn Pallister氏によるUSGSの1986年から継続しているVDAP(Volcano Disaster Assistance Program)プロジェクトの講演があった.夕方はポスターセッションのコアタイムがあった.

8月15日は,IAVCEIの総会があった.各賞の受賞式では,Fisherメダルに,Jose Ruis Marcias Vazquez氏が選ばれた(Fig. 7).受賞式にはFisher教授の娘さんも来られていた.Wagerメダルには,Yan Lavallee氏とMarie Edmonds氏,Walkerメダルには,Alexa Eaton氏とSebastien Biass氏,Krafftメダルには,Marta Calvache氏とHugo Delgado Granados氏,Thorarinssonメダルには,Bruce Houghton氏が選ばれた(Fig. 8).

Fig. 7. Fisherメダルの受賞講演を行うVazquez氏.右側の女性は,Fisher氏の娘さん.

Fig. 8. Thorarinssonメダルを受賞したBruce Houghton氏と推薦者のRebecca Carey氏.

口頭発表では,午前は,Benoit Taisne氏のアジアの火山噴火による火山灰の影響評価,Andrew Patra氏の火山灰の影響評価システム,田島氏による熊本2016年地震と阿蘇火山,Federico Lucchi氏によるストロンボリ火山における山体崩壊にともなうブラスト噴火,Anthony Hidenbrand氏によるアゾレスの巨大海底山体崩壊,Maria Benito-Saz氏によるEl Hierro火山の成長過程の講演などを聴いた.

午後は,火山データベースのセッションで,招待講演として,G-EVERの東アジア地域地震火山災害情報図とアジア太平洋地域地震火山ハザード情報システム,火山災害予測支援システムの内容を発表した.そして,Bergrun Oladottir氏によるアイスランドの火山カタログ,Edward Venzke氏によるスミソニアンのVolcanoes of the Worldデータベース,Christina Widwijayanti氏によるWOVOdat,Andrei Kurbatov氏による南極のテフラデータベース,Sue Mahony氏による海底コアによるM>6クラスの噴火のテフラデータベース,Falk Amelung氏によるInSARのモニタリングデータベース,Cheryl Cameron氏によるAVOの包括的データアーカイブシステム(GeoDIVA)の講演を聴いた.

8月16日は,日帰り巡検で,20年ぶりにセントヘレンズ火山を訪れ,Johnston Ridgeからトレールを約1時間半歩き,岩屑なだれ堆積物などを見て回った(Fig. 9).セントヘレンズ方面だけで,バス16台であり,コースはA, B, Cコースに分かれていた.集合時間も7時30分集合のグループから10時集合のグループなどもあった.他にはColombia River Basalt,Hood火山の巡検のグループもあった.USGSのスタッフの説明は大変丁寧で観測の現状や,噴火当時(1980年当時と2004年からの再活動)の状況などを詳しく聞くことが出来た(Fig. 10).なお,2004年〜2006年のセントヘレンズ火山の活動内容については,USGSのProfessional Paper 1750(USGSのサイトからダウンロード可能; 700MB)に詳しくまとめられている.

Fig. 9. Johnston ridgeビジターセンターからみたセントヘレンズ火山.

Fig. 10. 参加者の様子.当日は快晴であった.

8月17日は,朝のプレナリーセッションでは,William Chadwick氏による北米太平洋北東部における海嶺付近の海底火山の講演を聴いた.午前のセッションでは,火山地形と堆積学のセッションにおいて,Sylvain Chabonnier氏による高精度標高データを利用した火山重力流のダイナミクスとハザード評価,Anke Zernack氏によるルアペフ火山2007年噴火のラハールの解析,Amelia Winner氏による高濃度火山重力流の実験解析結果,Richard Waitt氏による1980年5月18日ブラストの解析結果,Patrick Willey氏によるLiDARデータを用いた溶岩流の解析結果,Angela Diefenbach氏によるUSGSのセントヘレンズ火山の溶岩ドーム及び氷河の地形変化モニタリングを聴いた.さらに,玄武岩噴火様式のセッションにおいて,Hans Schmincke氏による東トルコの8万年前のIncekaya火山の大規模海底噴火,Sebastein Biass氏によるキラウエア火山の19世紀の黄金軽石の講演を聴いた.

午後のセッションでは,島弧火成活動のセッションで,Peter Lipman氏による南ロッキー山脈のマグマ活動とテクトニクス,カルデラ,岩脈群,島弧からリフトへの変遷を聴いた.また,火山の噴火予測のセッションで,Kyle Anderson氏によるキラウエア火山のベイズモデルを用いた短期的確率論的噴火予測,Phillipe Lesage氏による決定論的な火山噴火予測,John Stix氏によるFast火山とSlow火山,Annemarie Christophersen氏によるベイスネットワークを用いた火山モニタリングと噴火予測,Mark Bebbington氏による国レベルの長期噴火予測,Steve Sparks氏による世界の第四紀火山(LaMEVE)データベースの噴火の数え落とし推定,Kevin Reath氏によるASTER衛星による熱異常データベース(AVTAD)の講演を聴いた.その後はポスターセッションのコアタイムがあり,200件以上のポスター発表があった.

8月18日の最終日の朝は,プレナリーセッションで,National Forest ServiceのPeter Frenzen氏によるセントヘレンズ火山における社会とのつながりに関する講演を聴いた.午前中のセッションでは,ハザードマップのセッションなどで,Roberto Sulpizo氏によるハザードマップ作成の為のフィールドデータの活用,John Ewert氏による火山ハザードマップの歴史,Jan Lindsay氏によるState of the Hazard Mapによるハザードマップの解析結果のまとめ,Charlotte Vye-Brown氏による南南極のAscension火山島のハザード解析,Paolo Papale氏による都市における火山ハザードマップの研究者と行政機関の役割の講演を聴いた.また,火山噴火予測のセッションで,Andrea Bevilacqua氏によるロングバレーカルデラにおけるマルチモデルを用いた確率論的ハザード評価の講演を聴いた.

午後は,火砕流とその堆積物の理解のセッションで,Eric Breard氏による火砕流のモデリングの比較検討,Elodie Macorps氏によるコリマ火山,メラピ火山,カルブコ火山の火砕流の比較検討,Jannie Kripper氏によるシベルチ火山の火砕流のASTER画像解析,Rebecca Williams氏によるイタリアのGreen Tuff火砕流の解析結果,Nicolas Pollock氏によるセントヘレンズ火山の火砕流堆積物に見られる火炎構造,Gulhem Douillet氏による火砕流堆積物に見られるオーバーターン構造の実験による再現,Olivier Roche氏による米国Peach Spring Tuffの取込ブロックの講演を聴くと共に,雲仙火山,北海道駒ヶ岳火山,阿蘇火山における火砕流の堆積構造と流動堆積機構の講演を行った.

最後に閉会式があり,大会実行委員のメンバーから一人ずつ挨拶があった(Fig. 11).次回のCities on Volcanoes 10は9月2日からイタリアナポリで,IUGGはモントリオールで7月19日から開催され,4年後,2021年のIAVCEI Scientific Assemblyは,ニュージーランドのロトルアで開催されることが発表された(Fig. 12).

Fig. 11. 大会実行委員による閉会の挨拶.

Fig. 12. 次回のIAVCEI Scientific Assembly2021はニュージーランドのロトルアで開催される.

今回のIAVCEI2017では,1200件以上の口頭発表とポスター発表があり,過去最大のIAVCEIであった.プログラム委員の一人として,大会の運営に関わったが,準備はかなり大変であった.講演内容としては,G-EVERで取り組んでいる火山データベースや火山ハザード評価,火砕流に関する関連セッションも多数あり,今後のG-EVERの活動を進める上で大変参考になった.また,規制庁の予算で進めている大規模火砕流の研究内容もあり,こちらの方面でも大いに参考になった.

 

3.Best Practices in Tephra Collection, Analysis, and Reporting: Toward Better Tephra Databases (8月19日,Hilton Portland)         

8月19日には,テフラデータベースに関するワークショップに参加した.主催者は,Kristi Wallace氏(USGS, AVO), Steve Kuehn氏 (Concord大),Marcus Bursik氏(ニューヨーク州立大学バッファロー校),Andrei Kurbatov氏(Maine大)の4名であった.参加者は約40名であり,テフラ関連の火山学関係者に加えて,国際第四紀学会(INQUA)の関係者も多かった.

各自の自己紹介のあと,Marcus Bursik氏が今回のワークショップの趣旨説明を行った.テフラのサンプリング,解析,取りまとめ,データベースに関する各分野の知見を取りまとめ,より高度なデータベース作成のためのガイドラインを作成することが目的であった.

まず,David Lowe氏が,テフロクロノロジーの基本や,年代測定方法,Cryptotephraの分析方法,統計学的なテフラの処理方法の講演を行った.また,得られたデータベースのデータ交換について議論した.その後,スミソニアンのBen Andrews氏がなぜデータベースが重要か,その有用性についてスミソニアンVGPプログラムを事例に講演を行った.データの標準化や,今後はデータベース間の相互コネクションを検討する必要があることを述べた.次に,Kerstin Lehnert氏が,現在データベースで利用されている各種の技術情報について講演を行った.データの相互運用,再利用のためのDOI,メタデータ,データリポジトリの標準,XML等を紹介し,Earth Chemデータベースでの事例について紹介した.また,米国のNSF予算では研究で得られたデータはすべてインターネットで公開共有することが,予算獲得の条件になっていることを述べた.

午後は,Steve Kuehn氏が各地のテフラについて(Fig. 13),Britta Jensen氏がCryptotephraによる超広域の火山灰の対比について(Fig. 14),Siwan Davis氏が北南極のアイスコアとマリンテフラについて, Nelia Dunbar氏が南極のアイスコアの分析方法について,Sue Mahony氏がIODP/ODP/DSDPプロジェクトの海洋コアによるテフラデータベースについて講演を行った.

Fig. 13. 主催者の一人,Steve Kuehn氏の講演.

Fig. 14. Britta Jensen氏によるCryptotephraの講演

その後,今回のWSのアウトプットとして,テフラデータベースのガイドライン作成のための議論を行った.アウトプットとしては,Bulletin of Volcanologyに論文としてまとめる方向を検討している.内容についてはブレーンストーミング会議を行った.テフラの命名法,データベースの相互運用,地域毎のデータセットとの対比,使用ソフトの種類,データの質,テンプレートの作成,分析手法など様々な内容を議論した.私は,地点毎のポイントデータだけではなく,isopach mapなど空間分布データのデータベースが重要であり,そのGISデータの整備が必要であることを提案した.

最後に,Sebastien Biass氏が火山のテフラ堆積物から得られる各種の火山の物理情報について,Kristi Wallace氏が2014年のBest-Practice checklists for tephra collection analysis and reportingの内容について,Murcus Bursik氏がMono Lakeのテフラデータの解析について,Andrei Kurbatov氏がアイスコアの分析方法について,Steve Kuehn氏が各種の化学分析の手法について,Sue Mahony氏がUSGS AVOのテフラデータベースの長期運用について,Graham Leonard氏がニュージーランドのテフラデータベースの事例について講演を行った.

私は,最近の御嶽等のテフラ関係の研究や,G-EVERや大規模噴火データベースにおけるデータベース構築とって有効であると考え,このワークショップに参加した.テフラ関係者は,現在,数万〜数10万以上の各種の小規模〜大規模プロジェクトによる膨大なテフラデータ(コアデータ,分析値データ,分布図)を抱えており,その運用について,より将来的に相互運用可能な形でのデータ共有を考える時期に来ていることが実感できた.米国では,分析データはすべてオープンにし公開することが,研究費(NSF)獲得の条件となっている.地質調査総合センターでは,地質図類やGISデータ等のオープン化は基盤センターを中心に進んでいるが,個々の分析値は,各研究者の裁量に任されており,分析値を図などで論文化することで公開したことになっている.一方,彼らは,研究成果をより広く社会に還元すると共に,周囲の研究者とも共有することで,自らの研究を進めることを目指している.我々としては,分析値や柱状図などは生データを含め,GSJのオープンファイル等で広く公開し,共有していくことを検討すべき時期に来ているのかもしれない.G-EVERでは,今後アジア太平洋地域地震火山ハザード情報システムにおいて,既存の各種のテフラデータベースとの連携やテフラ分布図の整備を進めて行きたいと考えている.

活断層・火山研究部門

宝田晋治

 

 

 

第1回CCOP地質情報総合共有プロジェクト国際ワークショップ報告

1.はじめに

2016年9月20〜22日の3日間の日程で,インドネシアのソロにおいて,第1回CCOP地質情報総合共有プロジェクト国際ワークショップ(The 1st International Workshop on CCOP Geoinformation Sharing Infrastructure for East and Southeast Asia (GSi) Project)が開催された.今回の国際ワークショップは,1年前にバンコクで開催された地質情報総合共有プロジェクトのKick-off Meetingで合意されたものであり,開催に当たっては,インドネシアのGeological AgencyとCCOP事務局に,会場のアレンジ,参加者のロジ等で全面的にご支援を頂いた.全体で47名の参加があった.インドネシアからの参加者が31名と最も多かった.今回はインドネシア(Geological Agency)と日本2名(GSJ:宝田、バンディバス)の他,カンボジア2名(Ministry of Mines and Energy),韓国1名(KIGAM),ラオス2名(Department of Geology and Minerals, Ministry of Mines and Energy),マレーシア1名(Minerals and Geoscience Department of Malaysia),フィリピン2名(Lands Geological Survey Division, Mines and Geoscience Bureau & PHIVOLCS),タイ2名 (Department of Mineral Resources),ミャンマー1名(Ministry of Natural Resources and Environmental Conservation)から参加があった.

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写真1. GSi国際ワークショップ開会式の様子.Geological AgencyのEgo Syahrial新長官による挨拶.右端がRudy Suhendar 地下水・環境地質部門長,2人目がAdichat Surinkum CCOP事務局長.

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写真2. GSi国際ワークショップ参加者の集合写真.

 

2.ワークショップの概要

ワークショップ1日目は,まずCCOP事務局長のAdichat Surinkum氏と,8月にGeological Agency代表に就任したばかりのEgo Syahrial長官による挨拶があった(写真1).全体の集合写真(写真2)を撮影した後,宝田がGSiプロジェクトのこれまでの経緯や進捗,BandibasがGSiのシステムの概要を紹介した.そして,各国の参加者代表から,今後5年間のデータ整備計画,National CoordinatorとData Coordinator, データ整備と各国ポータルサイトの進捗状況,GSiプロジェクトとシステムに対する要望や提言,各国の最近の地質情報の整備状況について講演を行った.

各国からのGSiシステム(図1)への要望としては,下記の様に多数の意見が挙げられた.

(1)メタデータ等のデータフォーマットの統一,(2)モバイルでのデータ提供システムの作成,(3)より使い安いシステムの開発,(4)他のプロジェクト(OneGeology等)との協力,(5)データアップロードは自国のデータのみに限定すること,(6)クイックビューアの改良,(7)アカウントのパスワードを忘れた場合への対応,(8)データ更新やアプリの独自開発等におけるTraining Courseの開催,(9)ハザード解析等を目的としたサイトの開発の検討,(10)データの情報が閲覧画面に更に表示される仕組みの用意,(11)すでに公開中の他のWMSサービスが利用できるように改良,(12) モバイル環境でのズーム機能の拡充,(13)モバイル環境でのコンパスやGPSトラック機能の実装,(14)データダウンロード機能の拡充,(15)システムのバージョン情報管理,(16)閲覧画面で各要素をクリックした際に表示される内容のカスタマイズ機能,(17) CCOPプロジェクトで過去に出版した各種データの掲載.

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図1. CCOP地質情報総合共有システムのデータアップロード及び個別ポータルサイト作成用サイト.(https://ccop-gsi.org/MyPortalCreator/new_main/)

その後,Bandibasによって,GSiデータアップロードサイトを使って,実際に各自が持参したデータを掲載するTraining Courseを開催した(写真3).また,その際のデータの名称の付け方や,メタデータ,キーワード等のルールについて議論を行い,合意内容を確認した.

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写真3-1. 1日目のTraining Courseの様子.Joel Bandibas氏による講演.

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写真3-2. 1日目のTraining Courseの様子.中央が韓国代表のSaro Lee氏.

2日目は,引き続き,BandibasによるTraining Courseが行われた.後半では,Mobileシステムを構築する方法についての実習と質疑も行われた(写真4).15時からは,前日の各国から出されたGSiシステムに関する要望や提言内容を元に議論を行った.

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写真4. 2日目のMobile SystemのTraining Courseの様子.

また,データポリシーの微修正を行い,2016年10月末〜11月上旬のCCOP総会(50周年)で各国のポータルサイト(暫定版)を公開すること,各国はそれまでにポータルサイトを準備することが合意された.さらに,システム開発のためのSystem Development Teamの形成検討,CCOP各国間の協力のため可能な限り分野ごとのWorking Groupの設立検討, PHIVOLCS FaultFinderのような利用促進のためのアプリケーションの作成検討,OneGeology等の他のプロジェクトとの連携検討などが話し合われた.なお,会期中,地震火山災害情報図を会場の後部に掲示し,宣伝を行った(写真5).

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写真5. Geological Agency, Center for Geological Survey, Mapping Division代表のSinung Baskoro氏と地震火山災害情報図について議論している様子.

3日目は,参加者による巡検が行われた.ソロの北にあるジャワ原人の発見地にあるサンギラン博物館を見学した(写真6)のち,ソロの王宮跡の見学などを行った.

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写真6. ジャワ原人発見の地にあるサンギラン博物館を見学.

35th International Geological Congress (第35回万国地質学会議)参加報告

1. はじめに

2016年8月29日(月)〜9月2日(金)の5日間,南アフリカのケープタウンで開催された第35回万国地質学会議(35th IGC)に参加した.会場は,Cape Town International Convention Center (CTICC)であった(写真1, 2).地質調査総合センターからは,佃理事,斎藤(文),宮崎(一),大久保,内田,竹内,宝田,Bandibasの8名が参加した.今回のIGCは全体で約4200名が参加した.南アフリカ,中国,インドから多数の参加者があった.特に中国のCGSからは約100人の参加があった.

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写真1. IGC会場の入り口の様子

 

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写真2. 会場(CTICC)の外観.

2. GSJブース展示

GSJのブース展示では,東アジア地震火山災害情報図を始め,富士山火山地質図,熊本地震の緊急調査結果,南アフリカ鉱物資源調査,3D地盤図,地球化学図のポスター展示の他,ASTER, 土壌汚染リスク,鉱物によるガス吸着のハンドアウトも用意した.さらに,富士山の火山地質図や溶岩流の3D模型の展示を行った.多くの方が興味深く展示の見学に来られた(写真3).特に3D模型の展示は好評であった.GSJパンフやCCOP Stone Heritage Book, 日本の地質史等の配布も行った.毎日平均100名程度の訪問者があった.地震火山災害情報図も好評で,約10名の関係者に配布した(写真4, 5).

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写真3.GSJブース展示の様子.ウズベキスタン地質調査所一行から地質図を寄贈された.

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写真4.GSJブース展示の様子. 地震火山災害情報図も好評であった.

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写真5. アルゼンチンSEGEMARの研究者に地震火山災害情報図を寄贈.

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写真6.展示会場の様子.

3. 学会発表

会期中は,主にGeoinformation,Geohazards,火山関連のセッションに参加した.GeoinformationのSuper Sessionでは,各国の地質情報の整備に関する内容や,GEO, OneGeology, EPOS等のプロジェクト進捗等の内容についての講演があった.GEOでは,代表のBarbara Ryan氏が,オープンなデータ共有が,いかにEarth Scienceの進展や社会にとって重要であるかを示した(写真7). OneGeologyプロジェクトは現在119カ国,138機関,70の地質調査所が参加しており,300以上の地質図が公開されている.来年は10周年にあたり,3D Geologyなどの展開を図っている.EPOS(European Plate Observing System)は,各種の地球科学関連を共有化するプロジェクトであり,2023年までの計画で,ヨーロッパ各国の地質調査機関が連携して,地質関連情報,災害情報,資源関連情報の共有化を目指している(写真8).アジアで我々が進めているCCOP地質情報総合共有プロジェクトと類似したプロジェクトであるが,こちらは,地球物理関連の観測データの共有化にも力を入れている.8月30日には,地震火山災害情報図について口頭発表を行った.Geohazardsのセッションでは,各国の地震,火山,地すべり等の数多くの発表があった.9月1日に,G-EVERの地震火山ハザード情報システム,災害情報図の概要,火山災害予測支援システム,CCOP地質情報共有プロジェクトについて口頭発表を行った.火山関連のセッションでは,アフリカの火山の調査結果等の発表があった.ポスター会場では,熱心な議論が行われた.

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写真7. GEO(Global Earth Observation)プロジェクト代表のBarbara Ryan氏による講演.

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写真8. EPOSプロジェクトのスライド.

なお,会期中のプログラム,講演要旨は,下記のMy IGC Appサイトから閲覧,ダウンロードできる.

https://www.35igc.org/Verso/225/My-IGC-APP-smallbrought-to-you-by-AngloAmericansmall

 

4. 世界地質図委員会(CGMW), IUGS総会等の関連会議

会期中には数多くの関連会議や委員会が開催された.GSJ関係者が参加した会合は下記の通りである.

  •  8月29日18:00-21:00   CGMW Bureau Meeting
  •  8月30日18:00-19:30   CGI Meeting
  •  8月30日19:30-21:00   OneGeology Principal Members Meeting
  •  8月31日9:30-17:30     IUGS Council Meeting
  •  8月31日18:00-21:00   CGMW General Assembly
  •  9月1日8:30-17:15    IUGS Council Meeting
  •  9月1日18:00-20:00  SQS Business Meeting
  •  9月2日17:00-22:00  OneGeology Board Meeting
  •  9月3日9:00-17:00    CGI Meeting

8月29日に世界地質図委員会(CGMW)のBureau Meeting,31日にCGMW総会に地質調査総合センターから佃,宝田の2名で参加した.Bureau Meetingでは,まず委員のメンバー交代の予定が報告された.現在のPresidentであるPhilippe Rossi氏は,次の2018年のCGMW総会で代表を辞め,現在Secretary Generalを務めているManuel Publlier氏が代表に就任する予定である(写真9).その後,2014年からの各subcommissionからの進捗状況が報告された.ヨーロッパ代表のKristine Asch氏は,International Quaternary Map of Europe (IQUAME2500) プロジェクトについて発表を行った.北ユーラシア代表のOleg Petrov氏は,1:5M International Tectonic Map of Arctic (TeMar) プロジェクト等,アフリカ代表のF. Toteu氏は1:10M Seismotectonic Map of Africaと1:10M Geological Map of Arica等,アジア代表のJin Xiaochi氏は,1:5M International Geological Map of Asia (IGMA5000)のデジタルデータ完成,南アメリカ代表のC. Schobbenhaus氏は,1:1M Geological Map of South Americaや1:5M Tectonic Map of South America等(写真10),北中央アメリカ代表のM. Saint-Onge氏は,カナダとUSAのTeMarプロジェクトへの参加等,中近東代表のA. Saidiは1:5M International Quaternary Map of Middle Eastと1:5M International Map of Magmatism of Middle East, 南極地域代表のG. Leitchenka氏はTectonic Map of Antaracticaの改訂版,火成岩及び変成岩マップ代表のR. Oberhansli氏はMetamorphic Map of the Eastern Mediterranean,テクトニックマップ代表のI. Pospelov氏は,1:5M Tectonic Map of Asia, Tectonic Map of Northern-Central-Eastern Asia, 自然災害図代表の佃氏は,Eastern Asia Earthquake and Volcanic Hazards Information Map(東アジア地域地震火山災害情報図: 宝田が詳細を説明), 水文マップ代表のStruckmeier氏は,World Hydrogeological Mapping and Assessment Project (WHYMAP)について紹介を行った.

CGMWでは,今後VISIOTERRAという3Dソフトウェアで,CGMWのマップを閲覧できるようにするとともに,PDFで地質図をダウンロードできるようにする方針であることが決定された.31日の総会では,いくつかの地質図を貼りだすとともに,各国の活動内容を文書として取りまとめた.通常,総会は1日行われるが,今回は会場が確保できなかったとのことで,2時間程度であった.東アジア地域地震火山災害情報図は,CGMWの各委員から,大変詳細に取りまとめられており,素晴らしい成果であるとの評価を頂いた.次回のCGMW総会は2018年2月にパリで開催される予定である.

8月30日には,OneGeologyのPrincipal Member Meetingに内田,宝田,Bandibasの3名で参加した.Mat Harrison氏とTim Duffy氏の司会で,OneGeologyの活動内容,メンバー交代,今後の活動内容,財務状況等の報告,議論が行われた.また,9月2日に開催されたOneGeology Board Meetingには佃理事が参加された.

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写真9. CGMW代表のPhilippe Rossi氏(左)と事務局長のManuel Publlier氏(右)

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写真10. CGMW Bureau Meetingで南アメリカ地域の進捗を発表するC. Schobbenhaus氏

8月30日,9月1日に開催されたIUGS (International Union of Geological Sciences) のCouncil Meeting(総会)では,IUGSの各分野の活動報告が行われた.その中には,G-EVERがIUGS,日本学術会議共に仙台で開催した2013年の2nd G-EVER International Symposium and the 1st IUGS &SCJ International Workshop on Natural Hazardsと,そこで合意されたSendai Agreementの内容も触れられていた.また,8年後の第37回IGCについて,ドイツ・ロシア・トルコ・韓国によるプレゼンテーションがあり,投票の結果,韓国の釜山で開催されることが決定された(写真11).また,次回の第36回IGCは,4年後の2020年3月にインドのデリーで開催される.さらに,IUGSの新役員の立候補と投票が行われた.その結果,会長はQiuming Cheng氏(York大学),幹事長はStanley Finney氏(CSU), 会計幹事は北里洋(東京海洋大),副会長はKristine Asch氏(BGR, 写真12)とWilliam Cavassa氏(Bologna大)が新たに2016-2020の4年間の新役員となった.なお,理事には,Steve Johnston氏(Alberta大),Amel Barich氏(モロッコ)(以上2014-2018年任期),Edmond Nickels氏(GSL), Benjamin Mapani(ナミビア)(以上2016-2020年任期),Silvia Peppolomo氏(イタリア), Thierry Mulder氏(フランス)(以上2018-2022年任期)が選ばれている.

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写真11. IUGS総会でプレゼンを行う韓国代表.

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写真12. IUGS総会で立候補のプレゼンを行うKristine Asch氏(ドイツ地質調査所, BGR).

 

Influence of the Kumamoto Earthquake on groundwater resources

2016 Kumamoto Earthquake Main Page

April 26, 2022

I. Machida, M. Ono, and A. Marui

Institute for Geo-Resources and Environment

There are two major aquifers* beneath Kumamoto City and surrounding areas: the first shallower aquifer and the second deeper aquifer, the latter of which is the most important groundwater resource for the area. In the vicinity of the Lake Ezu, the base of the first (shallower) aquifer locates about 20m below sea level, and that of the second (deeper) aquifer locates about 200m below sea level (Figure 1).

Previous studies have shown that the major recharge area* of the second aquifer is the middle course of Shirakawa River (“Recharge area” in Figure 2). The distribution of hydraulic head in the second aquifer shows that the most groundwater flows southwestward from the recharge area (blue arrows in Figure 2). Since the fault whose rupture has reached the ground surface this time runs south of Kumamoto City, it is not very likely that the earthquakes generate drastic changes in the conditions of the groundwater resources in the area as a whole. However, crustal expansion or contraction and strong seismic vibration may cause temporal changes in groundwater level and turbidity. Careful observation needs to be continued.

The Figures below are included in “7. Kumamoto Area” of the Water Environmental Map series published by GSJ (2014). Original maps were published by Kumamoto City, Kumamoto Prefecture (1995).

Fig1

Figure 1. Elevation of the base of the second aquifer* in meters above sea level, which substantially differs by location (GSJ, 2014). Traces of the fault lines are from Kumamoto City, Kumamoto Prefecture (1995).

Fig2

Figure 2. Distribution of hydraulic head in meters in the second aquifer (GSJ, 2014). Groundwater flows orthogonally to the contour from higher level to lower.

* Aquifer: a geological layer that contains groundwater resource.

* Recharge area: a land area where surface water infiltrates into an underground aquifer

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Report 3 (April 22, 2022): Emergency Survey Report

  2016 Kumamoto Earthquake Main Page

Updated on April 22, 2022

The contents of this website are English translation of the Japanese website of “Report 3: Emergency Survey by Y. Shirahama, H. Mori, T Maruyama, and M. Yoshimi“,

An emergency survey was conducted near the epicenter of the 2016 Kumamoto earthquake to survey surface deformations, starting on April 16 after the M7.3 earthquake (Figure 1). Surface ruptures are identified along the northern Hinagu fault zone (Takano-Shirahata segment), and Futagawa segment and a part of Uto segment of the Futagawa fault zone (Figure 1). Surface deformation suggesting an earthquake fault is also observed in Uto area of the Futagawa fault zone. Photos of some earthquake faults and surface deformation are shown below (Photos 1 to 16).

Valuable and helpful information about the location of the earthquake faults on the ground was provided by Dr. Takashi Nakata, Emeritus Professor at Hiroshima University, Professor Hiroyuki Goto, Kyoto University, and Dr. Masashi Omata of Pasco Corporation.

 

location

Figure 1. Distribution of surface rupture and deformations identified in the current survey. The base map is the Active Fault Map in Urban Area (Ikeda et al., 2001) by the Geospatial Information Authority of Japan (modified from GSJ, 2016).

 

Photos of identified surface earthquake faults

fig_09

Photo 1. Northeastward view of right lateral displacement producing mole-track structure in a field at Douzon, Mashiki Town. The fault line extends into a hill in the back of the photo, passing by a blue vinyl greenhouse. White arrows indicate the location of the fault line and red arrows show the sense of displacement (April 16, 2016; taken from GSJ, 2016).

fig_10

Photo 2. Right lateral displacement in a field of Douzon, Mashiki Town (northwestward view). Right lateral offset of the footpath in the field is about 200 cm (April 16, 2016; taken from GSJ, 2016)

fig_11

Photo 3. Shortening deformation on the paved road in Kamijin, Mashiki Town (southeastward view). The fault runs N70E with vertical displacement of about 40 cm (April 16, 2016; taken from GSJ, 2016).

 

fig_12

Photo 4. Right lateral displacement with mole-track structure in the west of Shimojin, Mashiki Town (northeastward view). Lateral displacement is about 100 cm and vertical displacement is about 20 cm (April 16, 2016; taken from GSJ, 2016).

fig_13

Photo 5. Vertical displacement of about 35 cm is observed to continue to the crossing in the back of the photo, in a field of Mitake, Mashiki Town (northeastward view; April 16, 2016; taken from GSJ, 2016).

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Photo 6. The flexural deformation in a drained paddy field with N70W left lateral component, west of Shimojin, Mashiki Town (west-northwestward view). Vertical displacement is about 15-20 cm and left lateral displacement is about 20 cm (April 16, 2016; taken from GSJ, 2016).

fig_15

Photo 7. Right lateral displacement in a drained paddy field, southwest of Mitake, Mashiki Town (northeastward view). The fault can be traced to the place shown in Photo 5, through a deformed guardrail, crossing the road and passing the right side of a house in the far back of the photo (April 16, 2016; taken from GSJ, 2016).

fig_16

Photo 8. Right lateral displacement of about 40-50 cm in a parking lot of a community center in Akai, Mashiki Town (northwestward view; April 16, 2016; taken from GSJ, 2016).

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Photo 9. Northeastward view of right lateral displacement in a drained paddy field and mole-track structure, west of Togawa, Mashiki Town. (April 16, 2016; taken from GSJ, 2016).

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Photo 10. Right lateral displacement of about 50 cm in a drained paddy field, west of Togawa, Mashiki Town (south-southeastward view; April 16, 2016; taken from GSJ, 2016).

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Photo 11. Vertical displacement of about 15 cm, cutting the national route 443 at the south of the Iino Elementary School (west-southwestward view; April 16, 2016; taken from GSJ, 2016).

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Photo 12 Right lateral displacement on the road pavement, west of Tsuchiyama, Mashiki Town (westward view; April 16, 2016; taken from GSJ, 2016).

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Photo 13. Right lateral displacement of about 50 cm in a drained paddy field at Takaki, Mifune Town (southward view; April 17, 2016; taken from GSJ, 2016).

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Photo 14. Right lateral displacement shown by the offset of gutter in the southern border road of Kamitakano, Mifune Town (eastward view). The right lateral displacement indicated by the offset of the gutter is about 50 cm (April 17, 2016; taken from GSJ, 2016).

fig_23

Photo 15. Open cracks with vertical offset of the road pavement along the southern border of Kushijima, Mashiki Town (east-northeastward view). The vertical offset of the road surface is about 10 cm. The sporadic distribution of open cracks from northeast to southwest in the paddy field is shown by white arrows (April 16, 2016; taken from GSJ, 2016).

fig_24

Photo 16. Open cracks along the boundary between topographic high and drained paddy field, south of Kushijima, Mashiki Town. The open cracks were created on the ramp of south-side-up flexure. The fence beyond the person was deformed by the flexure (west-southwestward view). The vertical displacement of the ground along the flexure is about 20 cm or more. The south-side-up flexure and open cracks continuously distributed along the topographic boundary. Curved white arrow shows flexure ramp shape (April 17, 2016; taken from GSJ, 2016).

Reference:

Yasutaka Ikeda, Noboru Chida, Takashi Nakata, Heitaro Kaneda, Masayoshi Tajikara, Shinji Takazawa (2001) Active Faults in Urban Area Map [Kumamoto], GSI Tech. Rep. D.1-No.368.

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2016 Kumamoto Earthquake Report 2 (April 17, 2022): Seismic activities and related information in central Kyushu since April 15, 2022

2016 Kumamoto Earthquake Main Page

Last updated on April 21, 2022

The contents of this website are English translation of the Japanese website of “2016 Kumamoto Earthquakes and related information“, the Geological Survey of Japan (GSJ), AIST.

Seismic activities has been increasing in Kumamoto Prefecture and Oita Prefecture, and landslides occurred in many places of the Minami-Aso Village, near the Aso volcano.

Seismic activity and geological information in central Kyushu

Fig.1

Orange circles denote epicenters of two major earthquakes: M6.5 earthquake at 21:26 JST on April 14 and M7.3 earthquake at 01:25 JST on April 16 determined by Hi-net of the National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention (NIED). Blue circles are aftershocks and other smaller earthquakes from 00:00 JST, April 14 to 07:00 JST, April 16, which were also determined by Hi-net (NIED). Size of the circles is proportional to the magnitude of the earthquakes. Red lines show traces of active faults in this area. Base map is 1:200,000 Seamless Geological Map of Japan (GSJ, AIST). (modified from GSJ, 2016)

Epicenters of the present earthquake sequence show extremely wide distribution in the zone of Beppu-Shimabara Graben from the west to the east coast of the middle Kyushu with a distance of about 200 km and a width of a few tens of km. The earthquake sequence are presently very active at Hinagu Fault Zone and Futagawa Fault Zone in western Kyushu, Aso Volcano area in central Kyushu, and Beppu-Haneyama Fault Zone in eastern Kyushu.

 

Distribution of epicenters plotted on 1:200,000 geological maps in Kumamoto Prefecture

The Hinagu Fault Zone and Futagawa Fault Zone, which were the sources of the M6.5 earthquake on April 14 and the M7.3 earthquake on April 16 respectively, are located between a hilly area of Cretaceous accretionary complex and Jurassic metamorphic formations in the south, and a flatter area of Kumamoto Plain and Yatsushiro Plain in the north. The M6.5 earthquake at 21:26 JST on April 14 was on Hinagu Fault Zone and the M7.3 earthquake at 01:25 JST on April 16 was on Futagawa Fault Zone.

Fig2-1

Distribution of epicenters around the two major earthquakes in Kumamoto plotted on 1:200,000 geological mapsCircles indicate epicenters of earthquakes determined by Hi-net (NIED). Orange circles are the two major earthquakes. Size of the circles is proportional to the magnitude of the earthquakes (modified from GSJ, 2016).

Fig2-2

1:200,000 geological maps of “Kumamoto (Hoshizumi et al.,2004)” and “Yatsushiro and a part of Nomozaki (Saito et al., 2010)” by GSJ, AIST (modified from GSJ, 2016).

 

Distribution of epicenters plotted on 1:200,000 geological maps around Aso Caldera.

Seismic activity has increased around Aso Caldera, Kumamoto Prefecture, after the M7.3 earthquake at 01:25 JST on April 16. The epicenters are located in the northern half of Aso Caldera and aligned along a NE-SW direction.

Fig. 3

Blue circles are earthquakes from 00:00 JST, April 14 to 12:00 JST, April 16, determined by Hi-net (NIED). Size of the circles is proportional to the magnitude of the earthquakes (modified from GSJ, 2016).

 

Distribution of epicenters plotted on 1:200,000 geological maps in Beppu area

Seismic activity has also increased in Beppu City and Yufu City, Oita Prefecture, after the M7.3 earthquake at 01:25 JST on April 16. The epicenters are located along Beppu-Haneyama Fault Zone and are aligned along a ENE-WSW direction.

Fig.4

Blue circles are earthquakes from 00:00 JST, April 14 to 12:00 JST, April 16, determined by Hi-net (NIED). Size of the circles is proportional to the magnitude of the earthquakes (modified from GSJ, 2016).

 

Landslides in Minami-Aso Village in Aso Caldera

Many landslides occurred in the Minami-Aso Village, located within the Aso Caldera, after the M7.3 earthquake on April 16. Among them, large one on the slope above the west of Aso-Ohashi Bridge on Kurokawa River broke the bridge completely. This area is located in the western caldera wall of Aso Caldera and underlain by pre-Aso Caldera lava and pyroclastic rocks erupted 80k to 40k years ago. The caldera wall is steep and can collapse by a strong earthquake motion. Other landslides, including those at the Jigoku Hot Spring, occurred on steep hills of post-caldera lava flow deposits inside the caldera.

Fig. 5

(Taken from GSJ, 2016)

Fig6

(Taken from GSJ, 2016)

 

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2016 Kumamoto Earthquake Report 1 (April 15, 2022): Aftershock distribution and geology in this area

2016 Kumamoto Earthquake Main Page

Last updated on April 21, 2022

The contents of this website are English translation of the Japanese website of “2016 Kumamoto Earthquakes and related information“, the Geological Survey of Japan (GSJ), AIST.

aftershocks1

An orange circle denotes the epicenter of the main shock determined by Hi-net (NIED) and blue circles stand for after shocks (until 9:00 on April 15). Red lines show traces of active faults in this area. Base map is 1:200,000 Seamless Geological Map of Japan (GSJ, AIST). (modified from GSJ, 2016)

Figures below show after shock distribution and geology in this area.

aftershock2

Close-up of the figure above. Symbols are the same as above. Base geological map is 1:200,000 Kumamoto (Hoshizumi et al.,2004) and Yatsushiro and a part of Nomozaki (Saito et al., 2010) by GSJ, AIST (modified from GSJ, 2016).

 

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The M6.5 and M7.3 Kumamoto Earthquakes on April 14 and 16, 2016

Last updated on May 17, 2022

The contents of this website are English translation of the Japanese website of “2016 Kumamoto Earthquakes and related information“, the Geological Survey of Japan (GSJ), AIST.

A moderate earthquake of M6.5 occurred in Kumamoto Prefecture, Kyushu, southwestern Japan, at 21:26 JST on April 14, 2016. It was generated on a right-lateral strike-slip fault, northern part of the Hinagu fault zone. Depth of the epicenter was shallow (about 11 km in depth; JMA), and very strong ground motion was recorded near the source fault. A larger earthquake of M7.3 occurred at 1:25 JST on April 16, 2022 on the Futagawa fault zone, which is the northern neighbor of the Hinagu fault zone.

The Geological Survey of Japan (GSJ) set up the Emergency Survey Headquarters on April 15 to conduct systematic responses.

 

Influence of the Kumamoto Earthquake on groundwater resources

Fig2

Report 3 (April 22, 2022): Emergency Survey Report

location

 

Report 2 (April 17, 2022): Seismic activities and related information in central Kyushu since April 15, 2022

Fig.1-1-2

 

Report 1 (April 15, 2022): Aftershock distribution and geology in this area

aftershocks1

 

Related websites

 

Update information

  • May 17, 2016: Influence of the Kumamoto Earthquake on groundwater resources is released.
  • April 22, 2016: 2016 Kumamoto Earthquake Report 3 is released.
  • April 17, 2016: 2016 Kumamoto Earthquake Report 2 is released.
  • April 15, 2016: 2016 Kumamoto Earthquake Report 1 is released.

 

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インドネシア地質総局 (Geological Agency of Indonesia) 出張報告

日程: 2016年2月29日(月)〜3月3日(木)

訪問先: インドネシア地質総局(Geological Agency of Indonesia)

目的: CCOP地質情報総合共有(GSi)プロジェクト及びインドネシア火山情報システムに関する研究打ち合わせ

訪問者: 宝田晋治,Joel Bandibas

報告:

インドネシア地質総局(Geological Agency of Indonesia)と産総研地質調査総合センターは,2014年12月にMOUを締結しており,火山,地熱,地質情報分野で研究協力を進めている所である.今回の訪問では,一昨年のCCOP総会で東・東南アジア各国が合意し,2015年度から活動を開始したCCOP地質情報総合共有(Geoinformation Sharing Infrastructure, GSi)プロジェクト,及び約2年前から共同研究として開発を続けてきたインドネシア火山情報システムに関する研究打ち合わせを行った.

2月29日(月)には,インドネシア地質総局内のインドネシア火山地質防災センター(CVGHM)を訪問し,Supriyati Andreastuti氏を始めとする火山関係者約10名と,インドネシア火山情報システム(図1A, B)の公開について協議を行った.インドネシア火山情報システムは,CVGHMのOktory Prambada氏とJoel Bandibas,宝田の3名が中核となり作成したインドネシアの活火山情報(ハザードマップ,地質図,噴火履歴,災害履歴など)をWebGISで閲覧出来るようにしたシステムである.2年前から開発を続け,今回一般公開する事となった.公開用のサーバーについては,CCOP地質情報総合共有(GSi)プロジェクトにおいて,インドネシア地質総局に新たに導入したサーバーを使用することで合意した(図2).今後,暫定サーバー上の内容を順次新サーバーに移行し,来年度内の一般公開を目指す予定である.

インドネシア火山情報システム

図1A. インドネシア火山情報システム.

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図1B. インドネシア火山情報システム上のメラピ火山のハザードマップ

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図2. CVGHMにおける検討会議の様子.

29日は,さらに2016年5月に出版予定の東アジア地域地震火山災害情報図について,内容を協議した.また,CVGHMに2016年に新たに導入された火山のモニタリングシステム(図3)や,JICA予算で新しくなった地質標本館(図4)の見学を行った.

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図3. CVGHMに新たに導入された火山モニタリングシステム.

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図4. 地質標本館館(写真は標本館館長)

3月1日(火)には,インドネシア地質総局の各部署のGeoinformation関係者と約15名とCCOP地質情報総合共有プロジェクトに関する会合を行った(図5).冒頭に,地質総局企画室代表のDikdik Pribadi氏から挨拶があり,その後,宝田からGSiプロジェクトの概要を説明した(図6).そして,Joko Parwata氏からインドネシア地質総局における地質情報整備の現状について説明があった.今回の訪問では,また,2016年9月にインドネシアで開催予定の第1回GSi国際ワークショップについて,検討を行い,第1回WSをジョグジャカルタにて,9月20-23日の4日間の日程で開催することで合意した.
午後には,Center for Geological Survey (CGS,図7),Center for Groundwater Resources and Environmental Geology (CGREG, 図8), Center for Geological Resources (CGR, 図9,10)を訪問し,各部署の取り組み等を見学するとともに,議論を行った.

CVGHM_meeting_pic

図5.インドネシア地質総局の各部署のGeoinformation関係者との会合の様子.

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図6.新しく開発したGSiプロジェクト用のデータ登録システム.主題ごとのポータルサイトを構築可能.

GA_meeting_pic1

図7. Center for Geological Survey (CGS)の見学の様子.

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図8. Center for Groundwater Resources and Environmental Geology (CGREG)の観測井.

GA_meeting_pic3

図9. Center for Geological Resources (CGR)での議論の様子.

GA_meeting_pic4

図10. CGRの関係者.

3月2日(水)には,Joel Bandibas氏の講習によりGSiシステムへのデータ実装,モバイルシステムの構築に関する実習を行った(図11, 12).各部署より約25名が参加した.冒頭では,Center for Geological Survey代表から挨拶があった(図13).

GA_WS1

図11. CCOP地質情報総合共有システムの実習の様子.

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図12. GSiシステムの実習の様子.

GA_WS3

図13. Center for Geological Survey代表の挨拶

3月3日(木)には,バンドン南にあるGuntur火山観測所の見学(図14)を行い,Papandayan火山の地質巡検に参加した(図15).

Fieldtrip1

図14. Guntur火山観測所見学の様子.右から2人目はGuntur観測所所長.

Fieldtrip2

図15. Papandayan火山巡検の様子.左端は,Papandayan火山観測所所長.