G-EVERアジア太平洋地域地震火山ハザード情報システムの試験公開を7月より開始しました.
https://ccop-geoinfo.org/G-EVER/
アジア太平洋地域地震火山災害図プロジェクトでは, (1)東アジア地域地震火山災害図(印刷物)の作成,(2)アジア太平洋地域地震火山ハザード情報システム(オンラインシステム)の構築を進めています.
東アジア地域地震火山災害図は,2016年にユネスコ世界地質図委員会(CGMW)のシリーズとして出版予定の,750万分の1スケールの災害情報図です(図1).
図1.東アジア地域地震火山災害図の試作版
アジア太平洋地域地震火山ハザード情報システムは,アジア太平洋地域の地震,津波,火山噴火に関する災害履歴,災害分布,ハザード関連情報の総合閲覧検索システムであり,地震,津波,火山噴火関連の詳細情報データベースとしても機能する予定です.過去の地震や火山噴火の規模,災害の規模ごとに地図上に表示する機能に加えて,地震,津波災害の分布,降下テフラ,火砕流堆積物等の火山噴出物の分布等を表示する機能など,災害履歴や災害予測情報の比較検討が容易にできる機能を開発中です.今のところ,M6以上の過去100年間,1年間,1ヶ月,1週間,今日の地震の分布,主要大地震の震源域(図2A)や1,000名以上の犠牲者を出した地震の分布(図2B)などを表示することができます.
図2.G-EVERアジア太平洋地域地震火山ハザード情報システムの試作版.(A) 1971年以降のM6以上の地震の震央分布(USGS, ISC-GEMに基づく).赤い線で囲まれた領域は大地震の震源域.(B) 1000人以上の犠牲者を出した大地震の分布.iボタンを押してから震央の丸をクリックすると詳細情報を表示できます.
また,火山については,全世界の約3,300の第四紀火山を表示することができ,各国の地域毎の検索表示機能や主要火山データベースへのリンク機能があります(図3).現在,各国のハザードマップ,地質図,降灰分布図,火砕流分布図,災害情報,噴火履歴,引用文献等を取りまとめており,準備調整が済み次第順次掲載予定です.
図3.インドネシアの火山の検索結果.左側のQuick Volcano Searchメニューから地域を選ぶと表示できます.検索結果は,Volcano Query Resultにリストとして表示されます.個々の火山をiボタンを押してからクリックするとVOGRIPA, スミソニアン,ASTER衛星画像データベースの詳細情報を直接閲覧できます.
本アジア太平洋地域地震火山災害図プロジェクトは,PHIVOLCS(フィリピン),CVGHM(インドネシア),GNS Science (ニュージーランド),EOS(シンガポール),USGS(アメリカ),CCOP( 東・東南アジア地球科学調整委員会 )を始めとするアジア太平洋地域の主要な研究機関と連携の上構築を進めていく計画です.