G-EVER推進チームでは,アジア太平洋地域の地震火山災害情報の国際標準化,整備等を進めるに当たり,これまでフィリピン火山地震研究所(PHIVOLCS)とは,国際ワークショップ等で連携を進めてきている.
今年3月の国連防災世界会議における2015アジア太平洋地域地震火山ハザード・リスク情報国際ワークショップにおいて,G-EVERコンソーシアムのManagement BoardメンバーでもあるRenato Solidum所長から,共同研究を進めたいとの意向があった.
- 地震・火山に関するハザード・リスク評価,東アジア地域地震火山災害情報図の作成,アジア太平洋地域地震火山ハザード情報システム構築等に関する国際研究協力
- PHIVOLCSで準備中の,地震情報,活断層情報を提供するWebGISシステム,モバイルシステムの導入にあたり,サーバー構築,WebGIS技術のトレーニング
- CCOP地質情報総合共有システム(GSiプロジェクト)構築における国際研究協力
これらに関する研究打ち合わせ,新サーバー導入に伴う技術講習のため,8月3〜7日の日程で,宝田・Bandibasの2名で,PHIVOLCSを訪問し今後の共同研究の内容を議論すると共に,5日間のWebGIS技術トレーニングを実施した.PHIVOLCSからは,Arturo Daag地質部長,Mabee Cahulogan氏を始め,約15名が参加した.特に新WebGISシステムの1つとして,Renato Solidum所長から要望のあった,フィリピン全土の活断層情報をモバイル(ipadやスマートフォン)で閲覧するための,PHIVOLCS FaultFinderを試作した.今後地質調査総合センターとの間で,MOU及び共同研究契約を締結し,地震火山分野において,より強い協力関係を築いていく予定である.9月1-2日にバンコクで開催された第1回GSiプロジェクト検討会議にもPHIVOLCSからも代表が参加し,協力を進めているところである.