日程: 2016年2月29日(月)〜3月3日(木)
訪問先: インドネシア地質総局(Geological Agency of Indonesia)
目的: CCOP地質情報総合共有(GSi)プロジェクト及びインドネシア火山情報システムに関する研究打ち合わせ
訪問者: 宝田晋治,Joel Bandibas
報告:
インドネシア地質総局(Geological Agency of Indonesia)と産総研地質調査総合センターは,2014年12月にMOUを締結しており,火山,地熱,地質情報分野で研究協力を進めている所である.今回の訪問では,一昨年のCCOP総会で東・東南アジア各国が合意し,2015年度から活動を開始したCCOP地質情報総合共有(Geoinformation Sharing Infrastructure, GSi)プロジェクト,及び約2年前から共同研究として開発を続けてきたインドネシア火山情報システムに関する研究打ち合わせを行った.
2月29日(月)には,インドネシア地質総局内のインドネシア火山地質防災センター(CVGHM)を訪問し,Supriyati Andreastuti氏を始めとする火山関係者約10名と,インドネシア火山情報システム(図1A, B)の公開について協議を行った.インドネシア火山情報システムは,CVGHMのOktory Prambada氏とJoel Bandibas,宝田の3名が中核となり作成したインドネシアの活火山情報(ハザードマップ,地質図,噴火履歴,災害履歴など)をWebGISで閲覧出来るようにしたシステムである.2年前から開発を続け,今回一般公開する事となった.公開用のサーバーについては,CCOP地質情報総合共有(GSi)プロジェクトにおいて,インドネシア地質総局に新たに導入したサーバーを使用することで合意した(図2).今後,暫定サーバー上の内容を順次新サーバーに移行し,来年度内の一般公開を目指す予定である.
29日は,さらに2016年5月に出版予定の東アジア地域地震火山災害情報図について,内容を協議した.また,CVGHMに2016年に新たに導入された火山のモニタリングシステム(図3)や,JICA予算で新しくなった地質標本館(図4)の見学を行った.
3月1日(火)には,インドネシア地質総局の各部署のGeoinformation関係者と約15名とCCOP地質情報総合共有プロジェクトに関する会合を行った(図5).冒頭に,地質総局企画室代表のDikdik Pribadi氏から挨拶があり,その後,宝田からGSiプロジェクトの概要を説明した(図6).そして,Joko Parwata氏からインドネシア地質総局における地質情報整備の現状について説明があった.今回の訪問では,また,2016年9月にインドネシアで開催予定の第1回GSi国際ワークショップについて,検討を行い,第1回WSをジョグジャカルタにて,9月20-23日の4日間の日程で開催することで合意した.
午後には,Center for Geological Survey (CGS,図7),Center for Groundwater Resources and Environmental Geology (CGREG, 図8), Center for Geological Resources (CGR, 図9,10)を訪問し,各部署の取り組み等を見学するとともに,議論を行った.
3月2日(水)には,Joel Bandibas氏の講習によりGSiシステムへのデータ実装,モバイルシステムの構築に関する実習を行った(図11, 12).各部署より約25名が参加した.冒頭では,Center for Geological Survey代表から挨拶があった(図13).
3月3日(木)には,バンドン南にあるGuntur火山観測所の見学(図14)を行い,Papandayan火山の地質巡検に参加した(図15).